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プロフリークライマー:平山 ユージ さん

2007年10月24日

スポーツへの挑戦を通して培った強い精神力自分との闘いがさらなる成長へとつながる―

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世界のフリークライミング界で絶大な人気を誇る平山ユージさん。日本人初のワールドカップ シリーズ総合優勝など輝かしい実績を誇り、現在は拠点を日本に移してプロ活動されています。2児の父親でもある平山さんからお話をうかがいました。


夢への扉が大きく開かれたフリークライミングとの運命的な出会い


―フリークライミングを始めたのはいつからですか?
「昔から漠然と『ヒマラヤみたいな高い山に登ってみたい』という山に対するあこがれがあって、高校で山岳クラブに入ったんです。登山となると岩登りも経験したほうがいいと考えて、じゃあフリークライミングもやってみようかと。初めはあくまで登山の延長程度で、フリークライミングにそこまでの思い入れはなかったですね」


―心境の変化があったのは何がきっかけでしたか?
「何度か参加していた講習会でコーチに『一度岩に登ってみない?』と言われて、初めて登ったその日に『一生飽きないほどおもしろい!』と思ったんです。二階建ての家と同じくらいの高さの小さな岩でしたが、なかなか簡単に登れなくて。あと、登る場所を1~2mずらすだけで、まったく違う登り方になることを発見できたり。そのとき、自分の目の前に一瞬にして夢が開けましたね」


あの『最高の瞬間』からもう10年僕のクライマー人生はこれからも続く

―プロのフリークライマーをめざそうと決意したのはいつですか?
「当時、日本ではプロ選手はいなかったし、世界でも数人程度の世界でしたから、プロの道を進むべきか悩みましたね。高校に通いながら、世界大会に出場したり難関ルートに挑戦して、自分の実力がだんだんわかってきた19歳のとき、プロでやれるかなと意識しはじめました。翌年の20歳のときに参加した大会で優勝して自信がつき、『次はシリーズ総合優勝だ!』と。前途洋洋に思えたけど、プロの世界は甘くはなかったですね。毎年2、3番手までにはなれるけど、シーズン優勝ができなかった。シリーズ総合優勝達成までの9年間は本当に辛かった」


―どのようにその苦境を乗り越えたのですか?
「山の中にこもり、自分のめざすべきクライミングスタイルは何かをとことん追求しましたね。現状を打開するために、とにかく何かに挑戦してみると、解決策が見えて次に進むべき道が開ける。その試行錯誤のなかで、自分のクライミングスタイルを確立できたのが、日本人初のシリーズ総合優勝につながったと思う。初めての優勝はもちろん嬉しかったけど、僕にとってはあくまで結果でしかない。優勝を決めた大会のゴール直前の最後の2メートルの地点で、自分のクライミングを見せることができたのが何より嬉しかった。肉体的にも精神的にも限界に追い込まれたときに親指が伸びたあの一瞬は、今まで味わったことのない感動で、僕にとっての『最高の瞬間』でした。あのときの親指の感覚は10年たった今でも鮮明に覚えていますね」


―平山さんにとってフリークライミングとは?
「楽しいだけじゃない、辛さも悔しさもすべてが詰まっているフリークライミングから、本当に多くのことを教えてもらっている。困難へ立ち向かうチャレンジ精神や判断力、集中力とか。今年でプロ23年目ですが、10年前に感じたあの『最高の瞬間』の喜びをまだ越えられていないので、それを越えて何かをつかんでみたい。そして新しい自分に出会ってみたいですね」


子どもたちには自分自身に打ち勝って、たくましく成長してほしいと思う

―幼少時代はどのようなお子さんでしたか?
「外で遊びまわっていて、勉強はあまりしなかったかな(笑)。とにかくスポーツが好きで、中学時代は陸上部で中距離を走っていました」


―ご家庭ではお子さんとどのように接していますか?
「普通のお父さんと同じで、家にいるときはできるだけコミュニケーションをとって、一緒に外に出かけていますね。人としての礼儀やしつけはきちんと教えるようにしています」


―海外生活の経験が豊富ですが、日本と海外でのしつけなどはやはり違う?
「多くの時間を過ごしたフランスでは、たとえ親子間でも自立した人間同士の付き合いができていたかな。子どもだからって手加減せず、親が子どもに叱るときは真剣に叱る。『いけないものはいけない』としっかり教育していた。日本だと比較的ゆるいというか、『友だち親子』なんていう言葉もあるけど、むこうでは親や先生などの年配者を尊敬していて、教える立場(大人)と教わる立場(子ども)の線引きが明確だったと思う」


―最後に子どもたちにメッセージをお願いします
「『昨日の自分を越える』が僕の信念。そのときやれることや、やらなければならないことを100%の力を出してやりきってほしい。それが今までの自分を越えるきっかけになるから」


―本日はありがとうございました

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今回のインタビューの聞き手となったのは、スクールツアーシップの指導責任者の利倉さん。世界の厳しい山々に挑む平山さんから受ける印象は、意外にもやわらかな女性的なイメージ。プロとして20年以上も活躍している平山さんのその優しい目は、次なる目標にむかって輝いていました。



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