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数学者:ピーター・フランクル

2008年10月21日

世界的に著名な数学者でありながら、ジャグリングの達人でもあるピーター・フランクルさん。子どもの頃の思い出や数学の研究についてお話をうかがいました。

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努力しなければ結果がでない数学の研究真面目にこつこつと取り組んできた学者人生


―数学の研究をしたいと思うようになったきっかけから教えてください

「私の故郷ハンガリーでは、地域ごとに年齢別の学力コンテストが多数開催されていて、13歳の時に地区のあるコンテストで優勝したのがうれしくて、数学の分野に興味を持つようになりました。翌年には地元のテレビ局主催のコンテストでも優勝し、さらに数学への関心が高まりましたね。それから、いろいろな数学の問題を自分で解くようになり、理数系の分野で研究者になりたいと思うようになりました」


―数学者とは、毎日どのようなお仕事をされているのですか?

「学者によってさまざまですが、私の場合は誰も解けていない数式や問題を日々考え、何か新しい発見が見つかれば、論文にまとめて学会で発表するといった研究中心の毎日を送っています。学会では第一線で活躍する研究者と意見を交換し合ったりでき、いろんな刺激をもらっています」


―そうなんですね。そんな日々の研究でのやりがいは何でしょうか?

「人類史上誰も解決できていない数学的問題を自分が解けたときの爽快感です。他の学者が今までに挑戦して歯が立たなかった課題を、自分が解決できたときの達成感はなんとも言えないものです。おそらく、スポーツ選手が世界大会で新記録を打ち立てたときのような気持ちと似ているのじゃないかと思います」


―数学者として多くの実績を残されていますが、今後やりたいことや目標などはありますか?

「たくさんありますが、後継者を育てることにとても興味があります。算数オリンピック委員会の理事を務めていますが、子どもたちに算数に興味を持ってもらえるような働きかけをしたいですね。また、東京都では毎年数学コンテストを開催していますが、もっと地域を増やし全国に広めていきたいです」


―日本の子どもの算数や理科の学力低下が問題になっていますが、フランクルさんの活動が解決の糸口になるかもしれませんね

「そうだととてもうれしいです。野球をやっている子どもが甲子園をめざすように、理数分野でもめざすべき目標があると、全体的な学力の底上げが期待できるのではないかと思います」


子どもたちには新しい分野への挑戦を通して、自分のやりたいことを見つけてほしい


―幼少時代はどのようなお子さんでしたか?

「いつも何かテーマを見つけて、やりたいことに熱中してのめり込んでいましたね。数学の問題集をひたすら解いていた時期や読書に没頭したときがあったり。あと、父親から教えてもらったチェスも大好きでした」


―父親とはよく一緒に過ごされたのですか?

「ええ、医者であった父親は学校近くの病院に勤めていたので、授業が終わると病院にいつも立ち寄っていました。そこで、患者さんを診察して一生懸命働く姿や医学の研究に没頭する父親を見ていたので、自然と父親を尊敬するようになりましたね」


―尊敬する人が親というのはうらやましいです

「親の仕事場に日常的に訪ねることができたので、今思えばとても恵まれていたと感じますね。私は、子どもの成長にとっていちばん大切なのは、身近な大人を尊敬し、その人たちから学ぶことじゃないかと思うんです。親や学校の先生、親戚、地域の年配者たちは、相互的なコミュニケーションが取れ、直接教えてもらえる身近なヒーローであると思う。親は頑張っている姿を子どもたちに見せてあげてほしい。何も仕事場の姿だけじゃなく、ゴルフだっていい(笑)。物事に真剣に取り組む親の背中を見ていれば、子どもは親に敬意を払うようになり、生きていくうえで必要なことをたくさん吸収できると思う」


―今の日本の小学生をどのように感じますか?

「学校が休みの期間をもっと充実させてあげたいと思いますね。例えば、国内交換留学なんかがあってもおもしろいと思う。自分が訪れたことのない地域で数週間暮らしてみて、その地元の学校にも通ってみる。遠い外国に行かなくても、国内の異なる地域で生活するだけでも、学ぶことはたくさんあるはず。地域が違えば友人との接し方も違うし、家での過ごし方も異なりますよね。自然豊かな地方であれば、川あそびや木登りといった体験もできたりする。たった数週間の経験かもしれないけれど、人間関係が広がり、子どもに何らかの形で刺激になり、今後の人生の幅が広がっていくのではないかと思います」


―夏休みや冬休みをもっと有効に活用するべきということですね

「ええ、授業のない休みは学校活動の延長ではなく、新しい分野や物事にチャレンジできるチャンスだと思う。世の中には自分の知らない素晴らしい世界がたくさんあることを知ってほしい。未知への挑戦を通じて、人生がいかに楽しいものなのかを実感できればよいですね」


―最後に子どもたちにメッセージをお願いします

「『バーチャルよりリアリティが大事』ということを忘れないでほしい。家の中に閉じこもって一人でゲームやパソコンばかりしていてはダメ。自然のなかで友達と過ごしたり、ふれあうことがとても大事。そんなゆったりとした時間の中で、やりたいことを見つけてほしいですね」


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今回のインタビューの聞き手となったのは、スクールツアーシップの指導責任者の松村さん。学者らしいおだやかな雰囲気を持つピーター・フランクルさんは、ひとつひとつの言葉をじっくり選びながら、丁寧な口調でお話をしてくださいました。


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