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空手家:角田 信朗

2009年4月14日

空手家としてだけでなく、タレントや俳優などさまざまな分野で活躍されている角田信朗さん。二児の父親である角田さんに、ご家庭での子育てやご自身の子ども時代についてのお話をお聞きしました。

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イジメられ、落ちこぼれてしまった小学生時代空手を通じてコンプレックスを克服


―まずは子ども時代について教えてください。小学生の時はどのようなお子様でしたか?

「両親がとても教育熱心で、よく勉強する子どもでした。父親は組織のトップをめざして、まじめに働く優秀なサラリーマンで、礼儀作法にも厳しかったですね。また、教師をしていた母親は、かつて医学の道をめざしていたこともあり、僕を医者にさせたいと思っていたようで、学校から帰ると机の上に医学書やテキストがさりげなく置いてあったりしました(笑) 素直だった僕は、とくに反抗せずに勉強していましたね」


―意外ですね。勉強よりも運動が大好きなお子様だったのかと思いました

「もちろん体を動かすことも好きで、走るのも速かったです。自分で言うのも恥かしいですが、いわゆる文武両道という子どもだったですね。ですから、成績表もオール5を取るほど優秀でしたよ。けれども高学年になるとどんどん成績が落ち込んでしまって」


―何が起きたのでしょうか?

「静岡から大阪の学校へ転校した時に、状況が変わりました。父親の仕事の関係上、転勤が多くて、小学校時代だけでも4回も変わったんです。地域が変わると授業の進度が違い、特に算数や理科が突然まったく分からなくなってしまって。いわゆる落ちこぼれという状態になりました。また、今の僕のキャラクターからは想像できないと思われるでしょうが、子どもの頃は非常にシャイで引っ込み思案な性格で。なかなか友だちの輪に入っていけない、内向的な性格でしたから、いわゆるイジメにもあいました。天然パーマで赤毛なので、みんなとちょっと違う外見についてもよくからかわれましたし。子ども時代は自分に自信が無く、本当にコンプレックスの塊でしたね」


―そうなんですね、それらをどのように乗り越えられたのですか?

「ある日ひどいイジメにあった時に、父親が僕にかけてくれた言葉があったんです。『くやしかったら強くなれ』と。何気なく言った一言かもしれませんが、心に響きましてね。その言葉がその時の、僕の意識や考え方を根底から変えてくれたんです。今まで、イジメられていた僕はずっと被害者意識を持っていました。いじめっ子たちが悪いのだと決めつけていた。でも、父親の一言で、イジメられる僕にも問題があるのではないかと思えるようになったんです」


―今ある状況は、自分の気持ちや捉えようによって、変えられるということですね

「ええ、どんな世界にもイジメは存在すると思うんですよ。人が集まって集団を形成すれば、力のある者が力の無い者を制圧しようとするもの。だから、なぜイジメが無くならないのかと嘆くだけでは、何も問題は解決しない。父親の言葉によって、イジメられる側が変化することで、何かが変わるかもしれないと思えるようになったんです。それからですね、周りに自分の意見をアピールできるように自分自身を改善し、強い人間になるよう努力するようになりました。その自己改革のための手段が、僕にとっては空手でした」


―空手とはどのように出会ったのですか?

「当時流行っていたブルースリーの映画などの影響を受け、武術や武道に心惹かれるようになりました。子どもにもわかりやすい『男の強さ』みたいなものに漠然としたあこがれを抱くようになって。そして、空手家になりたいという夢が芽生えるようになりました」


いろいろな生き方や人生の選択肢があることを子どもたちに親は示してあげてほしい


―二人のお子様の父親でいらっしゃいますが、ご家庭ではどのように接されていますか?

「子どもたちには好きなことをさせてあげるようにしていますね。今は、息子はバスケに熱中していて、娘は英語にとても興味があるようです。実は、高校生の息子は、中学から全寮制の学校に通っているんです。先輩・後輩関係なく相部屋で生活を共にしているので、年長者への礼儀や年下の者への思いやりを学んでいるようです。長期の休みなどで自宅に戻ってくると、『親のありがたみがわかるようになった』と、感謝の言葉を口にするようになり、たくましく成長してくれていると感じられ、親としてはとてもうれしいですね」


―最近の親をどのように思いますか?

「少子化だからなのか、親が子どもを大切にしすぎるというか、子どもが傷つかないように、失敗しないように事前にレールを引いてあげることに、あまりにも神経質になりすぎているように思いますね。いい学校に入って、いい会社に就職することだけが正しい人生ではない。親がしてあげるべきことは、いろいろな生き方があるということを示して、子どもたちの人生の選択の幅を広げてあげることではないかと思います」


―道場で子どもたちを指導していて何か感じることなどありますか?

「親のほうが子ども以上に、結果に対してすごく執着心があるように思いますね。つい先日も、空手の試合に負けてしまった子どもに対して、『どうして負けてしまったのか』と感情に任せて手を挙げている親がいたんです。もちろん勝負ごとなので勝たなければいけない。でも、結果も大切だけれど、その子がその試合に向けてがんばってきたプロセスにもう少し目を向けてくれたらと思う。何がいけなかったのか、どうしたら次は勝つことができるのかを、子どもと一緒に考えてあげることも大切だと思います」


―最後に子どもたちにメッセージをお願いします

「昔から言われていることですが、『継続は力なり』だと思います。何かに対して必死になって取り組む姿ほどカッコイイものは無いし、その結果として、すばらしい人生が待っている。人は目標があってこそ頑張れると思う。だから、子どもたちには夢中になれる何かを見つけて、豊かな人生を歩んでほしいですね」


実際に経験をしてみて、はじめて見える世界があるということを知ってほしいですね」


―本日はありがとうございました


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今回のインタビューの聞き手となったのは、スクールツアーシップの指導責任者の利倉さん。外見から感じられるたくましい印象とは違った、心の内にある繊細な想いについて語ってくださいました。


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